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また、要介護高齢者がいる世帯の中で、寝たきり状態の者のいる世帯は約28万世帯(28万人)で、このうち、一人で寝たきりの者が4.7%、夫婦のみの世帯が15.1%、三世代世帯は48.4%という状況である(表2−3−3)。在宅の寝たきり高齢者約28万人の内訳は、「全く寝たきり」13万人、「ほとんど寝たきり」15万人であるが、在宅で「寝たり起きたり」という、介助なしには家事も外出もしない者も約40万人、その他虚弱な者も18万人余はいる(表2−3−4)。
一方、1995年時点で特養に約20万人、老健施設に7.5万人(うち痴呆性約2.4万人)、病院に27.5万人など施設に約55万人がおり、在宅も含めると要介護高齢者数は約141万人となる。高齢人口(1745万人)の約4.9%である。
在宅の要介護高齢者率は「国民生活基礎調査」(1995年厚生省)によると、60〜69歳で1.23%、70〜79歳で3.48%、80歳以上で14.4%であり、今後21世紀初頭にかけては後期高齢人口が増加するため、要介護高齢者数の絶対的増加は避けられない(図2−3−2、図2−3−3、表2−3−5)。
また、仙台市における要介護問題も第1章第1節でみたように、寝たきりの高齢者と要介護の痴呆性高齢者の数が、ともに高齢人口の増加を上回る勢いで増加していくことが予想されるなど、今後も厳しい状況にある。
こうした要介護高齢者の増加とともに、単独世帯や夫婦二人のみの世帯の増加、そして三世代世帯においても家族機能は今後も低下すると考えられること、寝たきり高齢者の場合をみると、その人の年齢が上がるほど配偶者の介護割合も低くなり、一人暮らしとなる人も増えることなどの社会的状況からみて、21世紀に入っても要介護高齢者への対応には在宅ケア、施設ケアのいずれにおいても社会的な努力が今後とも求められる。

 

図2−3−2 在宅の寝たきり者率と要介護者率

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資料:1995年「国民生活基礎調査」(厚生省)

 

 

 

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